光を失った半年間の生活で何が判ったのか?

洞窟の奥深く、太陽の光の届かない環境で生活を送ることで、人体にどういった影響が見られるのか?実際にフランス人科学者がその環境に身を置いてわかったこととは!?
体内時計がどういった要素に影響を受けているのか?

そんな実験が、もう40年以上も前に行われていたのだとか・・・

見出し一覧

体内時計をリセットしない影響
暴走する体内時計
体内時計に影響する明るさ
まとめ

1972年2月13日より半年間、洞窟の奥深くで生活を送り自らの睡眠について調査されたミッシェル・シフレというフランス人科学者の研究がライフハッカー日本語版で紹介されていました。
この投稿の中では、様々な角度から睡眠について触れられていたのですが、その中から太陽の光を失った生活に重点を置いて取り上げさせていただこうと思います。
眠りを極める:睡眠を変えたいすべての人に読んでほしいビギナーズガイド | ライフハッカー[日本版]

体内時計をリセットしない影響

洞窟の奥深く…という太陽の光の届かない環境の中での生活では、睡眠のサイクルも変化してくるのでしょうか?
ミッシェル・シフレ博士というのは、科学者であり、冒険家でもあることがこちらの電子書籍の中に記されています。
(同名異人の可能性ありです)
人生は20代で決まる: TEDの名スピーカーが贈る「仕事・結婚・将来設計」講義

実験当時、シフレ博士は23歳という若さもあり、この過酷な実験に挑戦できたのでしょう。
余程、準備をしていたとしても、半年間も洞窟の中で生活を送るというのは、なかなか真似のできるものではありません。

その実験の中で、数日のうちに起こった変化についてこう記されています。

数日のうちに、シフレ氏の生物時計が主導権を握りはじめました。氏は後に、実験についてこう述懐しています。「私の睡眠は完璧だった! 体が自分でいつ眠るか、いつ食べるかを決めていたんだ。これはとても重要なことだ。この実験でわかったのは、私の睡眠覚醒サイクルは、地上のみんなと同じような24時間ではないということだ。もう少しだけ長く、24時間プラス30分といったところだった」実験中何度か、シフレ氏の体は48時間の睡眠サイクルに移行しました。それは、36時間覚醒し、12時間眠るというサイクルでした。
眠りを極める:睡眠を変えたいすべての人に読んでほしいビギナーズガイド | ライフハッカー[日本版]より

この発言から、太陽の光という存在が、人の体内時計に影響を与えているのでは?という疑問が浮かびます。もちろん、この発言だけでそれを決め込んでしまうことは危険な判断ではありますが、今日では、こちらの発言以外のところからも、太陽の光が体内時計に影響を与えていることが唱えられています。

つまりは、1972年という時代にこの事を実験して証明しようとした先駆けと言えるのではないでしょうか。(あぁ、ひょっとしたら更に古い実験があるかもですがw)

この実験が先にあって、あとからあれこれと裏付けが取れていった、という感じでしょうか。

暴走する体内時計

この実験の中で、一日のサイクルが24時間半というところと、36時間の覚醒と12時間の睡眠という2つのパターンが見えてきます。

リセットをしない体内時計は24時間よりも長くなる…というのは、今となっては多くの方が解説してくださっていますが、36時間の覚醒と12時間の睡眠というサイクルはこの記事を見るまで知りませんでした。

気になるのは、実験中その48時間サイクルへと移行したのではなく、何度か移行した…という点です。つまり、24時間半サイクルと48時間サイクルが交互に繰り返された様なニュアンスで記されています。

太陽の光による、日中と夜間の繰り返しを失うと、人は、地球の自転(およそ24時間で一周)を感じることが出来ない。

地球が一周していることを認識するのは、太陽の光が頼り…という事になると判断できます。

まぁ、人の生活において大切なのは、地球が何時間で1周しているのか?ではなく、いつが明るくて、いつが暗いか?という事ですものね(笑)

暗けりゃ出来る事が限られるし、明るけりゃいろんな事が出来る。

人の身体に仕組まれた体内時計のセンサーが目の奥に搭載された進化もうなずけます。

体内時計に影響する明るさ

このシフレ博士が、どのような環境で半年間、洞窟の中で生活をされていたのかについては、あいにくリンク先の記事には記されていません。
1972年という時代背景から想像するに、おそらくそれほど高照射能力のある照明を持ち込まれたとは考えられません。かといって、じゃぁ、ろうそくを灯して半年間生活されていたのか?という決めつけもあまりよろしくないかと。

300〜400ルクス程度の明るさというのが、蛍光灯照明の事務所や30W蛍光灯×2灯使用の八畳間という状態であることを考えますと、そこまでの環境を洞窟内に整備するのは現実的ではない…と考えられます。

参考リンク
照度と明るさの目安|大阪市立科学館

体内時計に働きかけてくる明るさは1000ルクス以上らしい。ただ、夜の睡眠に対する準備を邪魔するには300〜400ルクスでも長時間浴びる事で、影響があるかもしれないとのこと。
参考リンク
第2回 体内時計25時間はウソだった! | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

こういった事を考えますと、ろうそくによる灯りにしても、電気スタンド照明を持ち込んでいたとしても、体内時計(視交叉上核)を刺激するほどの光源は持ち込まれていないと考えて良さそうです。

明るさを推測することで、人が地球の自転を太陽の光以外の要素から知り得ているとは考えにくいんじゃないでしょうか。

まとめ

繰り返しになりますが、人の生活にとって、地球の自転が今、どのくらいなのか?ということよりも、明るくなるタイミング、暗くなるタイミングが重要。
何万年もの世代交代の中で受け継がれてきた人体の仕組みに、備えられた体内時計は、太陽の動きを見ることで、一日というサイクルを認識して、起きたり寝たりを繰り返すように調整される仕組みを稼働させているのだと。

なのに、このわずか100年程度の間、電気が広く利用されるようになり、真夜中でも日中と変わらず活動が出来る環境を手に入れ、気がつけば昼夜問わず、誰か起きている人が常にたくさんいるような生活に変わってきました。

何万年もの歳月をかけて進化してきた(もしくは進化せず)人体に、昨今の昼夜問わず1000ルクス程度の明るさを感じられる環境は、どんな影響をもたらしていることでしょう?

何ももたらすことはないのでしょうか?

ホントに?

がん患者の増加は、統計を集計する環境が整ってきたせい?

睡眠障害を訴える人が増えているのは日本をはじめとする先進国だけの問題ではない?

政治的な意味合いは含ませるつもりはありませんが、原発が稼働していない現状、必要なのは次世代エネルギー問題の解決ではなく、生活環境の改善だったりしない?

ちょっとお話が大げさになってしまいました(笑)

とりあえず、直近で気にしたいことは、人が生活を送る上で太陽の動きは気にしたほうがいいかもしれない?ってこと。

同じような考えを持っておられる方が、他にも少なからずいらっしゃる証拠が、最近盛り上がりを見せ始めている光で目を覚ます光目覚まし時計の登場とかだったりしませんかね?

実際、昼夜逆転の生活を送っているわたくしにとって、光目覚まし時計は欠かせない必需品となっています。(気になるのは、わたくし以外のどの程度の方が同じ体験を味わえるか?という事)

ともあれ、少なからず、太陽の光は、人の生活に欠かせない存在なのかもしれません。
その事をどう捉えるか?については、まだまだ科学的根拠に乏しいかもしれませんし、客観的な評価も難しいところから、結局はその人次第…という判断に委ねるしかないんでしょう。

あなたはどう感じましたか?


< PR >

  • このエントリーをはてなブックマークに追加